小児訪問看護
在宅で医療ケアをしている子どもが増えている。
入院期間をなるべく短くして自宅で医療ケアをおこなっている、子どもが増えています。 その背景として、少子高齢化、医療技術の進歩に伴い、入院中心の医療から、在宅中心の医療への流れが急速に転換しています。これは、大人に限らず子どもも同じ傾向なのです。 病院は、『治療の場』 → 回復する・治すところ。 → 『生』をもらう。 在宅は、『病気と折り合いをつけながら生活をする場』 退院後、子どもや親はこれからの生活を現実に受け止める事がスタートとなります。 重い病気で飲み込む力が弱く、鼻からチューブを通し栄養補給している子どもや、気管切開をして人口呼吸器をつけている子ども達も、退院して家に帰る事ができます。ご自宅での介護する親の責任と負担は重たくなりますが、その手助けをするのが訪問看護師です。 ふたば訪問看護ステーションは平成22年開設以来、40人以上の子どもに在宅看護を提供してきました。成長発達とともに地域社会の輪に混ざり、訪問看護を卒業していく子どもたちもおり、親のたくましさとその子の生きる力、その成長に日々励まされながら小児訪問看護をしています。
小児訪問看護で大切にしていること
- 1.
- 子どもや家族が何を望み、何を不安に思っているのか?という事に耳を傾けることからはじめます。まずは声に出し相談してみましょう。
- 2.
- 訪問看護師は、病院の看護と違い常に そばにいるわけではありません。24時間の生活の中の一部 の支援でしかありません。(1回の訪問時間が30分~90分) そのため、在宅では、子どもとその家族が主体となります。 子どもの家での生活支え、ともに親も一緒に成長し、 予防や対処できるようセルフケア能力を 高めていけるようなサポートを心がけています 。
- 3.
- 子どもは成長するので、成長をみこした社会資源の活用や入浴方法の検討を一緒に考えます。
- 4.
- 子どもにとって家で暮らすことは、子どもの成長発達にとっても大切。 家でお父さん、お母さん、きょうだいが笑いあい、共に心をはぐぐみながら家族になる時期を、支援者が奪わないように心がけています。
- 5.
- 「家族だけで頑張る」孤立をつくらないよう、病気や障がいのある子も、親やその家族も暮らしやすい地域をつくっていけるよう、地域連携機関とも“繋がる”関係づくりを心がけています。
小児訪問看護サービス内容
主治医のほか、地域の保健センターやさまざまな医療機関とも連携しながら、活動しています。子どもたちの成長発達のために必要なケアをご提案しています。
健康相談及び療養相談(対処方法など)
在宅酸素療法・人工呼吸器などの医療機器の管理 ・排痰補助管理
気管カニューレ管理
薬剤による吸入
痰の吸引(鼻、口腔内・気管)・口腔内持続吸引
栄養チューブ・胃瘻・腸瘻管理
ストーマ管理
導尿・摘便
服薬方法の指導、服薬管理
清潔の援助(体拭き、入浴など)
医療処置に必要な物品管理
子どもの緩和ケア
小児呼吸リハビリ・リラクゼーション
(抗重力リハビリ)・ポジショニング
摂食訓練(間接訓練・直接訓練)
制度の活用方法の説明
(例)
訪問看護は退院の意思決定ができた時点から介入しています。
1. 小児科病棟またはNICUから、退院に向けて「訪問看護へ依頼」あり
↓
2. 病院へ事前訪問・カンファレンス
↓
3. 退院までに家の療養環境の整えの相談にのる。(ご家族及び病院の看護師など)
※実際にご自宅に実施調査で、ふたば訪問看護師が伺います。
ベッドの選択・どこの位置へ設定した方がよいか?などの相談にのる
医療機器のセッテイングと位置の確認の相談にのる
電圧関係及び・コンセント類の確認の相談にのる
安全環境の整え
ご自宅での入浴方法のアレンジの検討
薬や経管栄養の時間を母の負担軽減のために家ようにアレンジできるよう一緒に考えます。
退院後、通院する時の支援体制の相談など
↓
4. 退院前カンファレンス
① 医師から、訪問看護指示書を発行してもらう。病状の説明と注意事項、包括的な指示を確認。
② 病院の看護師から、退院指導の内容を確認し、引き続き在宅で見てほしい看護内容を確認する。 「看・看連携」
↓
5. 退院後の訪問看護
療養環境と安全体制の整備
24時間対応体制管理
病院(主治医・看護師)や保健師との連携
多職種との連携(ヘルパー・相談員など)